鴨頭嘉人の語る「鬼滅の刃は、今、分析するべきコンテンツ」

池袋が消滅可能性都市に選ばれていた時代

池袋は消滅可能性都市に選ばれたことがある。その当時、豊島区は20億円の赤字だった。いつかなくなると言われていた。現豊島区長が立ち上がって、なにくそ、と努力をした。彼は仕事をしている経営者とがっつり組んだ。その街にいくかどうかは、産業で決まっている。豊島区には魅力的なものが外に伝わっていなかった。そこで、彼はコンテンツを作ろうとした。そして、区長が目につけたのはアニメだった。コスプレ女子が一番集まる都市池袋です。

そして、区長が素晴らしかったのは、秋葉原を真似しなかったこと。少しずらした。コスプレ女子に。アニメの種類も少し違う。秋葉原は男子なので、巨乳でパンチラ。でも、池袋は刀剣乱舞とかが来ているわけですよ。池袋のハロウィンはカボチャはいない。みんな丹二郎とかになっている。

それくらい、狙って、実行した。そして、豊島区は黒字になった。豊島区はアニメイトという一部上場企業がある。羅針盤という一部上場企業がある。これは中古の買取会社。うちの事務所はアニメイトと羅針盤の間にいるから、情報がめちゃくちゃ来る。三年前に鬼滅の刃が来ることがわかったので、全巻買った。間違いなく当たると確信していた。

今、当たるコンテンツの王道は、「内容を全て先に教えてしまう」

今、当たるストーリーの王道をちゃんとなぞっていた。今、当たるコンテンツの王道は、内容を全て先に教えてしまう、なんです。

つまり、無限列車のストーリーは最初から知っている。最後に煉獄さんが死ぬことも知っている。どの技で倒すか、も知っている。映画から見ると、漫画はマーケティングツールになっている。

情報を隠して、映画ローンチとともに、公開というのは当たらない。情報も小出しにしている系が多い、そうではない。鬼滅の刃は全部出している。鬼滅の刃はまだ終わらない。7,8巻で今回の170億円。9話からテレビでやるようになるだろう。このあと、200億円行くだろう。パート4まで売れるのはわかっている。

内容を知っている人の人口が増えれば増えるほど、増える!つまり、次の人員が保証できている。そうすると、どうなるか。 コンテンツギャップを作れるんです。

コンテンツギャップを作れ

鬼滅の刃って同じコンテンツなのに、漫画があってテレビアニメがあって、映画になっている。

例えば、鬼を二匹倒すシーンは、漫画で読むと2コマとかで終わるシーンが、映画で見ると、とんでもない名場面になっている。音とか映像とかが半端ない。さあ、漫画に音はあるかな?

漫画で鬼が斬る前から興奮出来るようになっている。主人公が絶対勝つとわかっているのに、興奮出来るようになっている。映像効果や音があるからだ。映像効果や音をよくするためには、コストだ。コストを回収するのは、漫画とテレビアニメで回収している。そこで得た収益を映画に打ち込むと、価値のギャップが生まれている。これによって何が起きたか。漫画が爆売れした。

クオリティーが高い映画を作ることで、クオリティーが低い漫画が売れるんですよ。これが鬼滅の刃のマーケティングですよ。つまり、商品をずらして、価値を高めれば、ビジネスはどこまでも伸びますよ。

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ABOUTこの記事をかいた人

講演家、YouTuber。日本マクドナルドでの勤務を経て、2010年独立。人材育成やマネジメント、リーダーシップについての講演・研修を熱い想いで行う「炎の講演家」として活躍。これらを記した著書も多数。YouTubeチャンネル登録者数100万人以上、再生回数2億回以上を数える。