【悩める上司必見!】主体的に動く部下を育てるためのマネジメント法|鴨頭嘉人公式⑥

「俺が店を変えてやる!」熱い気持ちを胸に店長に就任したけれど…

僕はその状態を見たときに思いました。

前の店長が悪いって。

最悪だ、と。そしてこいつら腐ってる、と。

よしわかった、俺が変えてやる、燃えてますから。

やる気満タンMAX状態ですからね。

そして、僕は原理原則を忘れて、道を踏み外します。

原理原則と違う行動をとるようになります。

例えば人。他人って変えられますかねえ、他人。

他人変えられたらすごいですよね。

今日初めて会ったんですっけ僕と、僕は初めて会いましたよ。

なんて素敵な女性なんだって思って、僕がこうやったらどうですか。

私を好きになりなさい。

たぶん違うことが起きると思うんすよ。

もう絶対この人と会うのやめようってなると思うんですよね。

他人を変えようとするからですよね。

そうですよね、だから他人は変えられない。これ誰でも知ってる原理原則

でも誰もができなかったりする

僕は、知っていることとできることがだいぶずれている状態でした。

でも、はっきり言います。

「思い」「知識」「正しさ」を伝えたつもりなのに、スタッフは言うことを聞いてくれなかった

思いは強かった。

そして、知識が豊富で正しかった。

つまり正しさはあったんです。

でも、僕は原理原則を忘れてしまいます。

どんな風にやったかというと、次の日から、だいたい朝から晩までお店に12時間以上は必ず立って、そして3ヶ月に1日しか休まずに、とにかくお店でマニュアル通りの手順で働いていないスタッフを見つけては、指摘をしまくる指摘マンになっていくんです。

「違う、やり方違う。ほらよく見てごらん、この通りやって。だからほら前もいっただろ。全員がマニュアル通りの手順であれば必ず60秒以内に商品を提供できて、そうすればお客さんが喜んでくれて売上と利益が上がる。売上と利益があってはじめてみんなのアルバイトの時給が上がるんだ。ほらそっちのほうがいいだろう?」

めっちゃ正しいことを言い続けるわけですよ。

そのうちスタッフは僕の言ってることと違うことをやるようになります

言うことを聞かないんですよ。

僕がこんなに言ってるのに。

「他人を思い通りに変えたい」原理原則を無視した指導が、さらに悪い環境を生み出してしまった

そのうち僕は感情的になってきます。

そしてこう思うんです。

よしお前らその気だったら、もっと言ってやろう。

もっと大きな声でもっとたくさん言えば人は動くと思ったんですよ。

こんないっぱいおりますがな、みなさん会ったことあるでしょ。

「おい何やってんだちゃんとやれって言ったろ!いいからごちゃごちゃ言ってないで俺の言った通りやったらいいんだよ!」とやったんですよ。

するとどうなったか。

アルバイトスタッフから笑顔消える。

そしてアルバイトするスケジュールの提出する子がどんどん減っていって、そのうち辞め始めるスタッフもできます。

そして売り上げもじわじわと落ちていきます。

利益も落ちていきます。

もともと3200万ぐらい月間売ってたお店が、僕が着任して10ヵ月で赤字になります。

とんでもないことでした。

そして僕は焦ります。

だって初めて店長になって理想のお店作って、そしてちゃんと業績も出して大好きなマクドナルド、会社に御恩返ししようって強く思ってたからです。

でも全然うまくいかなかった。

思い通りに動かないんです、人が。

そして僕は、どうにかして人を変えよう変えようと毎日しました。

次回:7)「人を変えたい」と原理原則に反してしまった鴨頭。この行動が最悪の結果を招く…!?

ABOUTこの記事をかいた人

講演家、YouTuber。日本マクドナルドでの勤務を経て、2010年独立。人材育成やマネジメント、リーダーシップについての講演・研修を熱い想いで行う「炎の講演家」として活躍。これらを記した著書も多数。YouTubeチャンネル登録者数100万人以上、再生回数2億回以上を数える。