【悩める上司必見!】主体的に動く部下を育てるためのマネジメント法|鴨頭嘉人公式⑬

アイデア箱が溢れるくらいの提案の数々。やる気の根源は「楽しい」から

だから、マクドナルドってアレなんですよ。

全国共通で1ヶ月間のキャンペーンって、だいたい2個から3個ぐらいまでって決まってるんです。

あまりにもキャンペーンいっぱい重ねるとヘトヘトになっちゃって、返ってベースセールスが陥るリスクがあるから。大変じゃないですか、キャンペーン打つの。

なんか情報の周知徹底とか、POPの交換とか、値札の交換とか、レイアウトの変更、発注の変更とか、やることいっぱいあるんで。

ところがこの店どれくらいキャンペーンやってたか。

もうすごいんすよ、アイディア提案箱とか溢れちゃうんですよ。

店長会議とかやると、お前ら学校何しに行ってんだくらい。

なんでかっていうと、「楽しい」からですよ

自ら考えてお客様に喜んでもらって、成果出せてるんですから、楽しくてしょうがないから、バンバンアイデア出す。

だから結論から言うとですね、1か月間どれくらいキャンペーンやってたかって言うと、毎月12個のキャンペーン重ねて打ってたんですよ。

12個のキャンペーン、同時に打ち続けるんですよ毎月。

キャンペーン中の鴨頭の仕事は「お願い」「フィードバック」「感謝」の3つだけ

どうやってやってたか。仕組みがあったんですよ。

これは提案者が成果を勝ち取るって仕組みなんですけど、例えばあるアルバイトスタッフさんがキャンペーンを提案してくるわけですよ。

そして店長である僕の仕事はまずこうです。

「いいねそれ。やって。」

お願いです。これステップ1。

もう1個だけ僕の仕事あるんですよ。

そしたら彼がリーダーとなってこのキャンペーン運営してくれるんで。

そして、僕は1か月後にね、パソコンの前に座ってカチカチカチカチッ、セールスの分析をして彼にフィードバックするんですね。

「ありがとう。君やってくれたキャンペーンのおかげで、先月のうちの店の売上高5パーセントも上がったんだ。ありがとう」

「いいね、それやって、ありがとう」
「いいね、それやって、ありがとう」
「いいね、それやって、ありがとう」
「いいね、それやって、ありがとう」

これを毎月12回繰り返すのが僕の仕事です。

何が起きたか分かります。

1カ月間に12名の自ら考え行動し、お客様に喜んでいただき、しっかりと店舗に成果を残しているという、成功体験を味わうアルバイトスタッフさんが、毎月12名ずつ生まれ続ける仕組みです。

モチベーションは爆発です。

「全員が経営者」の主体的に考え、動くことのできるスタッフが自然と育つ環境

高校生のアルバイトスタッフであれば、自分がお休みの日でも、必ず自分のキャンペーン、担当キャンペーンがある間はお店に来て聞いてくるんです。

「店長今何個売れてますか?対前年でプラス何%までいきましたか」って。

自分のビジネスだからですよ。

もしも目標入ってなかったら、みんなを集めてミーティングやるんですよ。

どうやったらこの目標値を達成できるか。

全員で達成しましょうって熱く語るアルバイトスタッフです。

高校生のアルバイトスタッフが休憩室でこんな会話をします。

「ねえ、このキャンペーン確かにキャッチーで当たりそうなんだけど、本当に年間のベースセールスの積み上げになってるか、もう1回見直す必要性があるんじゃないかな。」

高校生のセリフです。

この店はまさに全員が店長、全員が経営者のお店でした。

ついに、正真正銘の「日本一」のお店に成長

結果この店どうなったかというと、約2年間の間で全国3300店舗あった当時、

マクドナルドの中で従業員満足度調査のアンケートで日本一

お客様満足度調査のアンケートで日本一

そして

売り上げが、630万から1200万、伸び率100%以上で日本一

後にも先にも1年間でこの3つのタイトルを一度に取ったお店は、この青森県弘前市のお店しかありません。

そして僕は最優秀店長として表彰され、海外研修にも行かしてしていただくようになります。

次回:14)日本一の組織を作るために変えたことはたとえ、辛くても「相手と未来を信じ抜く」ただそれだけ

ABOUTこの記事をかいた人

講演家、YouTuber。日本マクドナルドでの勤務を経て、2010年独立。人材育成やマネジメント、リーダーシップについての講演・研修を熱い想いで行う「炎の講演家」として活躍。これらを記した著書も多数。YouTubeチャンネル登録者数100万人以上、再生回数2億回以上を数える。