僕は去年9月に
『人生で大切なことはみんなマクドナルドで教わった』
っていう本を出版させてもらいました。
今日は、そこでは語れなかった
店長を卒業してからのエピソードを紹介させていただきますっ!
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僕は、東北エリアの仙台地区で店長を卒業して、
スーパーバイザーになり
8店舗くらいの店舗を統括していました。
スーパーバイザーの仕事は、初めてでしたが
店長としてノリにノっていた後でしたし、
東北の中でもナンバー1店長だったため
みんなの協力を得やすく成果をバンバン出していました。
一方で、当時の東京エリアっていうのは
人手不足、店舗の運営が劣悪、赤字のお店がたくさんある
という状況でした。
そんなときに東京エリアで本部長をやっている方から
「とにかく元気なやつを東京に持ってきてくれ」
というオーダーがあったらしく、
能力はなかったと思いますが
一番元気だった僕に白羽の矢が当たり
仙台から東京に異動になりました。
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その後、
最初に配属された練馬区でも
東北の店長時代に培った
承認のリーダーシップを実施し、
売上の新記録をたくさんつくるようなエリアを
誕生させることができました。
それが評価され、
今度は西新宿エリアに異動することになりました。
そのとき僕は成果を出しまくってイケイケだったので
「オレがやれば売り上げ更新するのは間違いない!!」
ってすごく思っていて…
ある意味、浮き足だって調子に乗っていました…。
ありがたいことに…
そんな自分を叩き直してくれる人との出会いがあったんです。
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その人と出会ったとき
僕は今は閉店した新宿NSビルに
あったマクドナルドにいました。
お店はビルの中にあるので
1日の売上の3割近くが平日のお昼の1時間に集中しています。
僕がそのお店で何をしてたかっていうと…
毎日お昼にお店にいって
ストップウォッチでサービスの時間を測ってました。
なんでかっていうと
マクドナルドは『とにかく早く買える』っていうのが一番の強みで
オフィス街の忙しい会社員にピッタリなんです。
だから、どうしてもマクドナルドで食べたい
っていうお客さんがお昼に集中してるわけじゃなくて
ちょっとした打ち合わせをしてから食べたり、
食べたあとに少しフィットネスクラブに行ったり
普段会えない仲間と会話を楽しんだりっていうように
『お昼休みの1時間をどう有効に使うか』
って考えたときに、ものすごく利用されるお店だったんです。
だから…とにかくお昼の売り上げをあげれば成果が出すことができるんです。
裏を返せば、まだまだお客さんを
取りこぼしているお店だったんです。
だから、サービスタイムに
ストップウォッチをもって
時間のロスができる限りなくなるような指導を、毎日のようにしていました。
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そんなある日、
いつものようにストップウォッチを持ってお店の前に立ってるときに
僕が今でもボスと言って慕っている
藤本孝博さんがお店を訪れました。
ボスは、大阪にいたときには
成果をたくさん出し、
その後、九州にいっても日本で
一番利益を出すような
エリア作りをされていて、
当時の原田社長に直々に
東京エリアの立て直しに抜擢されたような人物でした。
僕とボスの初めての出会いは
今でも忘れられません。
ボスは、ストップウォッチを握りしめている僕に話しかけてきました。
「おい、お前何しとんや?」
「サービスタイム測ってるんです」
「そんなん見たら分かるわい。
何しとんや、いうとんねん。」
って言われたので
「この店はとにかくお昼の売り上げが
30%以上占めるお店なので
昼の時間のサービスの時間を短縮することが
月間のセールス、ひいては年間の売上に直結するんです。
だから、サービスタイムはかってるんです。」
って自信満々にいったんです・・・。
そしたらボスは・・・
「お前ふざけんとんのか!
わしがそんなこと分からんと思うとんのか!
わしが聴いてるのはそんなことやない。
何でストップウォッチで
時間測ってんねんってことや。」
3回同じことを言われても
全く意味がわからなかったので、
「すみません。」
って言ったら、
「すみませんやないやろ…
話にならんなぁお前。」
って言われちゃいました・・・。
「わからんかったらしゃあない…
ついてこい。」
と言うので
めちゃめちゃお昼で忙しいんですが、
お店を置いてついていきました。
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ボスは、僕をNSビルの吹き抜けにある喫煙所に連れてきました。
そこにはお昼休みなので、
150人くらいの方々がタバコ吸っていました。
「この光景を見ろ…
どう感じる?」
ってボスに聞かれました。
「何か…みんな疲れてます。
辛そうです。」
って言ったら、
「せやろ。
ほな、もう1回聞くわ。
なんでここでマクドナルドやっとんのや?」
って言われたんです。
「 … !!」
僕はボスの質問の意図が…
やっとそこで分かったんです!!
「ボス!わかりました!!
新宿NSビルにきているサラリーマンの人は…せめてお昼の1時間だけでも
ほっこりしたり、元気になりたい…!!
そのためにこのお店があるんでした!!」
って言ったら、
「わかったんやったら
仕事せぇ!!」
って言われ、
急いでお店に戻りました・・・
そこから…
本当の仕事がはじまったんです!!
<〜後編〜に続く・・・>