「思い込み」はできないはずのことができるようになる魔法の薬
魔法なんかない、薬なんかないからね。まああるっちゃあるけどね。
思い込みっていう薬ね。
言ったことあったっけ?うちの一花がすごい思い込みの天才だって話ね。
小学校4年生の時に「全校生徒の前で伝えることについて誰か話してくれない」って先生に聞かれたら、手を挙げる子なので。
んで、家に帰ってきて一花に
「お前全校生徒600人ね。全校生徒600人の前で伝えることについてスピーチしてくる子いない?って言ったら手挙げたのか」
「うん。」
「うんって。いや、いい。素晴らしいことなんだけど、なんで手を挙げたの」って言ったら一花はこう言ったんですよ。
「だってね、父ちゃん。小学生というのはね、まだ人の話を聞く力がないんだよ。だからね、私じゃないと無理でしょ。」
どんなセルフイメージ。
だから実際彼女は、話すのが上手いです。
なぜなら、そう思ったのは自分だから。
私は話すのがうまいと思ってるんですよ、歌上手いと思ってんすよ。
だから、合唱コンクールの前にこう言ったんですよ。
「父ちゃんさー」って。
「みんなもっと自信持ってほしいよねー」って言うわけ。
「どうしたの」って。
「いま合唱コンクールの練習してんだけど、みんな自信がないからさ、全部私に合わせようとするんだよね。でも、私に合わせようとみんながすると、やっぱほんのちょっとずれてハーモニーならないんだよね。みんな自信をもって自分の声で自分の歌を歌えばいいのに」
って言うんでうすよ。でもはっきりいいますよ。
うちの一花、超音痴なんですよ。
これは家族だから、カラオケとか行く時あんじゃん。
もう歌ハンパねぇよ。
「ねこねこにゃーにゃーねこにゃーにゃー♪」みたいな、騒音ですよ。
でも、彼女は私は歌が上手いと思ってんすよ。
だから合唱コンクールはだいたいセンターです。
先生も、そう思っているからですよ、自信満々でバーンと歌うんで。
みんなが一花ちゃんが歌うならって、くるんですよ。
俺合唱コンクール見に行ったのね。練馬の区民ホールっていう1500人くらい入るホールね。
で、見に行ったら面白いなと思って。
一花のクラスはとにかく下手なのに声がでけえクラスだったのね。
明らかに彼女のリーダーシップなんだけど。
で、2曲歌うのね。
で、2曲目、指揮者が交代って「鴨頭一花さん」つって。
だから一花が「はい」って。
こうやって実際は向こう側見てんだけど、俺見て分かったのよ。
一花はぱっと、みんなの方ね。歌う仲間ね。
歌う仲間の方を見て、(だいじょうぶ、OKという仕草)ってやってる訳。
俺後ろから見てたら、やべーなこいつって。
そして(指揮棒を振る動作)ってやったら、実はこのクラス上手かったの。
でも、彼女がいなきゃって思ってる子が、いっぱいいるんだよねー。
だから上手いかどうか、どうでもよくない?
実際に上手いかどうかはどうでもいい。大切なのは「自分を素晴らしい」と思い込むこと
なに上手いスピーチが本当にいいのか?
ベラベラベラベラ喋るやつが好き?そんな人はそんな人でいてもいいけどさ。
俺別にどうでもいいけど、上手いかどうかは。
素直に、正直に思い切ってチャレンジしている人を見てると、僕は感動するけどねえ、
そっち目指さないか。テクニックがうまい人よりも。
いいじゃんテクニックなんかどうだって。
もちろん心をオープンにして喋り始めると上手くなったりすることもあるし、上手くなんないまま味が出てくることもあるよ。
どっちでもいいじゃん。一花は幸せですよ。私は素晴らしいと思っているからですよ。