本記事は動画の【09:07】辺りから▶会社を「辞める」と言い出せない人に伝えたい話
人事部に直接辞めることを告げにいくことにした鴨頭
でこれは上から言わなきゃダメだと、要は直属の上司とかに言ったら絶対止められると。
だから人事本部長に直接辞めるって言いに行こうと思ったの。
ところがマクドナルドの人事本部長って社員が会うのに秘書にお願いしてアポイントを取って、一ヶ月後とかになっちゃうわけ。ちゃんと部屋があって、ドアに鍵がかかっていて、勝手に開けられないわけ。
で作戦練りました。僕は人事本部長の部屋に行って、そのドアの前に立ってこうしたんです。ガンガンガンガン、「すいません!事件です!」って言ったわけ。
人事本部長はやっぱりリスクヘッジをするという責任があるから、こんな事件ですって言ったらドア開くわ。しかもその人、元法務部の本部長だから。マクドナルドのサラダの日付改ざんの時にずっと戦ってた人。
まあそんなことはどうでも良いや。要はリスクヘッジが得意な人だから、ガンガンガン事件です!って言ったらガチャッと開いたと思って入ったのね。
で「なんだ?」って言うから、「僕会社辞めます」って言ったわけ。
鴨頭が当時の想いを涙ながらに語る。人事部長に告げた退職理由とは
そしたらその安田さんという人はもちろん超頭が良い人なので、
「そうか、お前確か43歳だったな」
「はい」
「子供2人いたよな」
「はい」
「マクドナルドで何年働いた?」
「25年になります」
「そうか。それだけ長い間この会社に尽くしてきたお前が辞めるって言うんだから、よっぽど考えてのことだろう。だから止めはしないが、1つだけ聞きたい。次にどんな仕事をするのか決めてるのか?」
答えました。
「全く決めてません。世界を変えようと思います」
って言ったわけ。
そしたらもうその人は、「は?」って、
「鴨頭いいか、良いことを教えてやるぞ。猿でも次の木に飛び移る時には次の木に手をかけてから前の手を離す」
だから優しかったのその人。だからお前が次何の仕事をやるか決めてからで良いんだぞって言ってくれたんですよ。
僕はこう言いました。
「お断りします。僕にはできないんです。僕25年間マクドナルドが好きで好きでたまらなかった。高卒の僕を拾ってくれて、大卒の人間よりも高い評価と給料を払ってくれた。たくさんの仲間がお前は凄いって、俺もお前みたいになりたいって言ってくれた。僕に憧れて入社した社員たちもいっぱいいる。僕を育ててくれた素晴らしい上司も今もマクドナルドにいる。だから次の仕事が決まってからなんて言ってたら、僕はこの会社辞めれないんです。今この瞬間辞めさせてください」
ってお願いして、「わかった。」って辞めさせてもらって、そうやって僕は会社を辞めてきたんです。