今回は、理想の働き方をしている友人を紹介したいと思います!その友人の名前は、和久井昭仁といって、年齢は34歳。いい大人なのですが、ほとんど中学2年生みたいな子どもっぽさを持った大人です。
彼とは、そもそも僕がマクドナルドでスカウトしていたときに出会いました。そのときは、クラブメッドという世界的に有名なところで働いていて、家を持たずに海外を飛び回ってお客さんとずっと一緒にホテルを渡り歩いてる、衣食住全部旅行みたいな生活をしていました。
ずーっとお客さんと一緒にいてワイン飲んだり、ショーやったり、サプライズのために砂浜でプロポーズするための仕込みやったり、毎日それしかやってないような生活してきた彼は今では、ツアーコンダクターをやっているんです。
つまり! これが彼の天職なんですよ。
奇跡のツアコン!!
と言っても良いでしょう!!
この前久しぶりに会って、じっくり話してて、ものすごいイキイキしていて『自分らしく生きてるなぁ』って感じました。話を聞いていると感動のエピソードがたっくさん出てたのですが、その中でも一番強烈に覚えているものを紹介しますね。
あるとき、農協の人がバスを貸し切るツアーがあったそうです。1年に1回、この日のために貯蓄して思いっきり贅沢する!!みたいなそういう日にバスを貸し切ってみんなで回ったんですね。東京ハトバスツアーみたいな感じです。
そのツアーの参加者は、出発するときから全開なんですって!何がかというとまずバスにのってスタートした瞬間に「うちでとれたレンコンだ」「うちでとれたさつまいも食ってくれ」「うちでとれたみかんだ」とか「うちのつくった米でつくったおにぎりだ」といったみんな『与えるためにどんだけ時間かけたの!?』っていうお弁当披露大会みたいな感じに自然になるんです。
みんな自分が食べるものを持ってきてるんじゃなくて『 人に食べてもらいたくて』作ってきてる・・・
だから・・・量もクオリティも見た目もハンパないまるで品評会みたいになるそうです。ある人から見たらただ単に弁当を広げてるだけかもしれないけれど、彼からするとヨーロッパの市場みたいなワイワイ楽しい風景にしか見えないんです。
彼は純粋に旅行中は日常を忘れちゃうぐらい楽しんでもらいたい!!そう想って旅行にくる人の日常を想わずにはいられないそうです。今回の農協さんの参加者さんでいえば・・・旅行に行く前、もっと言えば・・・1年間、この日に『みんなに喜んでもらおう』と思って自分の畑と向き合ってたんだなぁ・・・って、そう感じるそうです。
だから・・・
バスに乗ってみんなが弁当を広げてワイワイやってるときから「僕はこの空間にいられる」ってそれだけで胸がいっぱいになって泣きそうになっちゃうそうなんです・・・。
どうですか!!
こんなツアコン!!素敵ですよねっ
旅行業界っていうのは、ある意味リスクがあるのでお客さんが安全に過ごすために、こうしてはいけないああしてはいけないっていうルールがいっぱいある世界らしいんですが、彼は、参加者の姿を見た瞬間に「そんなものは存在しない!」と強く感じるそうです。
「この人たちはこの旅行中喜ぶって決めて参加してるから喜ばしい出来事しか起こらない!!そう、信じることができるんです。」そう言い切るんです・・・。もう自分自身が嬉しいから一般的な仕事をしなければならないという義務感がない。ただもう最高なサービスをしたくてしょうがない!!最高な旅を一緒にしたくてしょうがない!!
彼の働き方は単に仕事をするっていうのじゃなくって・・・『その人たちが喜んでもらえることなら何でもやりたい!』っていう義務感とは真逆の『~したい!』という働き方なんです。そんな気分でいると、東京タワーが出てこようが浅草の雷門が見えてこようがまるで自分自身が『人生で初めて見たような気持ちで』紹介できるので、バスの中が歓声と感動しかない空間になるらしいんです。彼は「僕が乗っているバスは世界でたったひとつの奇跡のバスなんです。」って自分で言っちゃうんですよ~最高ですね~
そんな歓声と涙の旅行中であっても、時にはふと・・・いつもの人間模様が出る瞬間があるそうです。それってどんなときかというと、おみやげを買うときだそうです。
例えば、老夫婦がおみやげを買いに出てみやげもの屋の前で
「あの人にはこれがいい」
「いやいやお前はわかってない、、あれがいい!」と大ゲンカになるんですって。
普通に考えたらせっかく今まで楽しい幸せな時間を過ごしてきたのに、人のためのおみやげを買ってきたのに夫婦が大ゲンカすると、辛いじゃないですか。
「うわ~、そういうの残念だね~」
僕がそういうと、彼はこう言ったんです。
「いいえ、すごい幸せな瞬間です・・・。本当にケンカをあちこちでやるんですが、それって人の優しさや愛情が溢れる光景なんです・・・。僕はバスに戻ってきたときにこう言うんです。
『みなさんに感動させられました、ありがとうございます。』
『みなさんおみやげを買うときに・・・大切な人のことを真剣に考えていましたよね。一緒にいらっしゃってる方だけでなく、ここにいない方のための感謝の交換会をしていましたね。のおみやげがいい・・・あのみやげがいいって考えてるときみなさんは人に尽くしている瞬間ですよね。それで喧嘩するなんてどれだけ幸せな人生を歩んでいるんですか!どれだけ素敵な人に囲まれて毎日を過ごしてらっしゃるんですか!!それを感じるだけで、僕自身が勇気と元気をいただきました。本当にありがとうございます・・・。』
そう僕は、お伝えするんです。そうするとみ~んな今まで喧嘩してたのが本当にバカらしくなってくれるんですよ~」
って言うんです・・・。
素晴らしくないですかっ!!
その感性・・・。
でも、彼の言うとおりなんです。確かに、人のためじゃなかったら喧嘩なんかしないですよね。そんなにエネルギーが溢れないですよっ。彼は、「みなさんが手に持ってるおみやげはみなさんの想いですよね。絶対に渡す人に伝わっちゃいますね~」って言うんですよ。僕はそんなツアーコンダクターがいるバスに乗りたいなぁって思いましたっ。そう思いませんか?参加者のケンカ、そして彼の対応から学べる事って何でしょう?
起きてる出来事を表面で捉えるんじゃなくて、なぜ人間はそんなことを言うのか、なぜ人間はそんなことをするのかって、その土台にあるものを感じることが大切・・・。人の感情・・・人の言動・・・その根本は『愛しかない』ってことなんですよね。
和久井昭仁っていう人はそれを受け取ってしまう天才なんだって感じました。
僕は、『みんな彼みたいに生きればいいのに』と思ってしまいます。
彼は、自分の職場が何観光だろうと何バスだろうがすべてを夢の国に変える・・・魔法使いです。だから、僕はみんな彼と旅行すればいいのに!ってオススメしたくなっちゃいます。
彼の働き方、考え方が何かヒントになれば幸いです。