サービス業っていう仕事を誇りに感じて楽しんで欲しい

今回は
サービス業っていう仕事を誇りに感じて楽しんで欲しい
というお話をさせて頂きます!!

 

そこは、とある新宿歌舞伎町の居酒屋。

久しぶりに会った仲間と「気楽にしゃべれる場所」
を求めて地下2階の居酒屋に・・・。

 

いざ、入ってみると。
午後7時の歌舞伎町で、お客様は我々が初めてのようです。
「あれ?!もしかして?」と思っていたところへ、

「いらっしゃいませ!!」の言葉もなく・・・。

「何名様ですか?」と暗~い声で、

茶髪がビンビンに上向いたお兄様がすり足でやってきました・・・。

髪型はイケイケ過ぎる感はありますが、

実は、結構イケメンでさわやかな顔立ちの男の子です。

 
(見てわかんないかなぁ?)
「ふたりです。」と私。

 

「靴脱いでください。」と彼。

 

(くださいっていう命令口調凄いな~)
「はい。」と私。
 ※ちなみに( )内は私の気持ちの解説文です。

 

 

席につくと

「注文が決まったら、そちらのボタンでおよびください。」
(目を合わせちゃ行けない日なのか?)
「は~い。」

と仲間の気分を気遣うのに精一杯な私。

 

 

そこで、
仲間が私に言った一言・・・。
「鴨さん。いやなんでしょこの店。出ましょうか?」

 
・・・!!

 
この時 

何かが、私の中ではじける音が聞こえました

 
「何を言う!
 
 これから世界中の人を幸せにする人間が
 
 このまま、現実から目をそらしていて何ができる!!」

 

勢いで言ったそのセリフが、

素晴らしい概念を生み出した

奇跡の誕生の瞬間です!!

 
「彼にサービス業で働く素晴らしさを

 少しでも感じてもらって
 
 笑顔を引き出そう!!」

 

ゴングは鳴りました!!

 
ドリンクを無言でテーブルに置く彼に・・・

「ありがとう!

 これで、久しぶりに出会った最高の乾杯ができるよ!!」

 感謝の気持ちをGIVE!!

 

「・・・。」無言で立ち去る彼。

 

 

料理を持って来た彼に

「サンキュー!

 このフロア、ひとりでやってるんだね!頑張ってね!!」

 激励の言葉をGIVE!!
「はい。」最低限の返事で戻ってしまう彼。

 

 

追加オーダーで

「何が君のオススメ?君の好きなメニューでも良いよ!

 君イケメンだし、よく居酒屋とか行ってるでしょ!!」

 存在承認の証明をGIVE!!

 

「いや、働いてるけど、ここん家のは食べないから・・・。」
「そっか~!そうだよね!

 働いてると食べてる場合じゃないもんね!

 でも君って正直だね~!」

 

ここの店長やオーナーは残念な人だな~!と思いつつも

会話が成立した事を確認!

初めての反応GET!!

 

 

 

その後も、

追加オーダーの度に「会話」を積み重ね

・・・2時間が経とうとしていました。

 
そして、
一見不毛に感じるこのやり取りを続けながら、

実は彼が

『サービスの心』を奥底に眠らせている事に気付きます!!

 

実は、
新しい料理の皿を持って来た時に、
そのお皿を二人の中心に置きながら
残り少なくなった料理の皿を
テーブルの脇にさりげなく配置換えしているのです。

 

さらに!
添え物だけしか残っていない皿が
2回目に同じ位置にあったら・・・

そっと帰り際に
持って帰っているのです!!

 
そうなんです!
会話レベルはゼロかもしれませんが、
注意力と洞察力は備わっているのです!!

その事に「私が気付けた時」
体温がふっと高まるのを感じました・・・!!

 

「よ~し!そろそろ行ってみようか~!!」
最終アタックをかけます!

 

 
「ねぇ、ここでどれぐらい働いてるの?」

「2年です。」
「へ~え、2年かぁ!頑張ってるね!仕事楽しい?!」

「いや、特に。でもバイトしなきゃなんないし・・・。」
「そっかあ・・・。でも、もったいないね~!」

「・・・。」

 不思議そうな顔をする彼に

 真剣に「告白タイム」

 

 

「あのね、このフロアには何十人というお客様が

 食事や会話を楽しみたいと思ってくるよね!
 君は、そのフロアの総責任者な訳だ。

 僕はこの店の経営者とは会った事ないけど、

 この店のイメージは持つよね!

 それは、他の誰でもなく「君」のイメージがこの店のブランドなんだよ!」

 

「はい。」
 彼は少し緊張しているように見えるが構わず告白は続く

 

「サービス業って、

 目の前にいるお客様が気持ちよくなって初めて価値があるよね!
 きっと、この店の経営者はその事をしってるけど、

 それを実際に実践できるのは君なんだよね!

 つまり、この店のブランドは君自身なんだ!

 もちろんこの店の経営者はその事を知ってるよ!

 知っている上で君にこの時間、

 このフロアを任せてるんだ!わかる?!」

 

「はい!そう言われればそうですね!」
 彼の顔が紅潮してきたようだ。

 

「だから、サービス業っていう仕事を誇りに感じて、

 楽しんで欲しいんだよね!
 君は気付いてないかもしれないけど、

 君の持っているお客様に対する注意力と洞察力は

 素晴らしい才能なんだよ!
 後は、お客様をリラックスさせてあげる笑顔と会話さえ備われば

 プロになれると思うよ!本当に!!

 そうすれば、君に会いたいからまたこのお店に来たい。って思う

 お客様がひとりでも増えるかもしれないよね!!

 せっかく働くならその方が楽しいと思わない?!」

 

思い切って言い切っちゃいました!!

かなり驚いたかもしれません。

お客様がそんな事言うとは想像していなかったでしょうから!

 

 
そうしたら・・・

 

彼から、
意外な答えが返ってきたのです!

 

「あ、僕そういうのがしたくて、バイト始めたんです。

 でも何か具体的にどうしたら良いのかわかんないし、

 お客様に怒られたりする事もあって・・・

 余計な事しない方がいいのかな・・・とか思ってました。」

 

 

「・・・!!」
彼の告白を聞いて

「ああ!俺ってまだまだだなぁ!!」正直そう思いました。
だって、最初は思ってましたから

「コイツは、サービス業に向いてない!」って・・・。

もちろん、できていない事だらけです。

プロとしては失格レベルの表現力です。
でも、その奥底のモーチベーションに

気付けない自分もプロじゃないな・・・って思いました。

 

 

「じゃあ、良かったな!

 これから毎日チャレンジできるじゃん!

 笑顔だよ!笑顔!!

 それが、備わればお客様がもっと君に要求するよ!

 その要求レベルがあがってきたら、

 君のレベルがあがった証拠なんだよ!!」

 
「はい!いっぱい要求してもらえるように頑張ります!!」
今日、
初めて見せた満面の笑顔は最高に輝いていました・・・

 
なぜか、その顔を見て私も目頭が熱くなりました・・・。

出会えて良かった!!

 

 

少しオーバーかもしれませんが、

奇跡の瞬間だと思いました!!

 
サービス業で
自分を表現する力をつけて行こうと
決めた瞬間の彼の最高の笑顔。

 

彼が私に教えてくれたんです・・・。
人間の奥底には
目に見えないモーチベーションが宿っている!

ほめる所がない人間なんていない!

見えていない自分がいるだけだ!!

 

大きな『気付き』に出会えた瞬間でした

ABOUTこの記事をかいた人

講演家、YouTuber。日本マクドナルドでの勤務を経て、2010年独立。人材育成やマネジメント、リーダーシップについての講演・研修を熱い想いで行う「炎の講演家」として活躍。これらを記した著書も多数。YouTubeチャンネル登録者数100万人以上、再生回数2億回以上を数える。