『私の命の使い道』命の輝かせかた

人生はどんな出来事が
起きたかで幸せか不幸かが
決まるんじゃ絶対にありません。

 

僕は今アミ塾という講座の講師をやっています。
アミ塾とは何かっていうのを
すごくシンプルに言うと

「他人にどう思われるかっていう考え方」
から自分を解放させて
「自分軸で生きる」
というあり方を創っていく半年間の塾なんです。
そこの塾生にみゆきさんという
僕と同い年くらいの女性がいます。

この人は今まで色んな人生経験をしてきた人で
全部の人生を語ると
かなり波瀾万丈で長いので
今回だけでは無理なんですが(笑)
一部を紹介すると

1度ガンになって何とか命は大丈夫な状態で
でも、いつ再発するかはわからないと
医者に言われながら

それでも残りの命を

「どんなことに使えるんだろう」って
考えていた時に・・・

楽読に出会ったんです。
そして、その後
楽読のインストラクターをやりながら
アミ塾という塾にも入って

自分を成長させることで
もっと「これから出会う人に貢献していきたい」
という考えで生きている

すごく素敵な女性なんです。

 
彼女がアミ塾に通っているときに
1度すごく落ち込んだときがありました。

そのときは
「もうアミ塾を辞めるわ。

こんな年老いたおばさんが
何成長するとか言っちゃってたのかしら。

きっとみんなから見たらみっともないわよね。」

そんな事を言うほど・・・
自己否定をしちゃっていました。

 

彼女がそう言ったときに
講師である僕よりも

一緒に受けている受講生の仲間たちが
全力で愛と承認のメッセージを伝えたんです。
中には涙を流しながら伝えている人もいました。

 

号泣しながら
「みゆきさん、あなたには価値があるんだ」
っていうことをあらゆる自分なりの表現で伝えていたので

みゆきさんもその想いを感じて
「何とか頑張ろう」という風になってその日は終わりました。

 

それから少し経ったある日
みゆきさんから急に電話がかかってきたんです。
電話越しのみゆきさんはものすご~く
興奮していていました。

 

みゆきさんは
世の中の、特に若いお母さんが
小さい子どもを2人とか連れてるのを見ると
すごい大変そうなんだけど、
頑張ってほしいなって思うそうなんです。
それこそ今は虐待とかネグレクトとか
育児放棄することがニュースにも出ていますが、
それらのことについての憂いを感じているんです。

そんな彼女はこう言っていました。

 
『鴨さん、鴨さん、
奇跡が起きました!

ショッピングセンターのところで
すごい怒鳴っているお母さんがいたんです。

「何回もいったでしょ!!!」

子供たちは泣き叫んでるのに
彼女の怒りはどんどん大きくなっていたんです。
だから私、
そのお母さんにハッピーマイレージのカードを

渡したんですね。

 

お母さんに

「すっごい頑張ってますね~」って

すごく怒ってるときにカードを渡したんですよ。』

 
『そのお母さんは受け取るときは
怪訝そうな顔をしていたんですが

そのカードを受け取ったあと・・・
奇跡が起きちゃったんです・・・!!
お母さんが子供たちに使う

言葉遣いと表情が

まるっきり180度変わっちゃったんですよ!

 

「ね~、だから次のところにもう行こうね~」
って。
鴨さん、

これ魔法のカードですよ!!!!』

 

そんな風にずっと魔法のカードだって思い続けていた僕に
あたかも「あなたはその価値に気づいているの!?」みたいな風に
説教してくれたんです 笑
僕はすっごい嬉しかったんですけど、
同時にすっごいビックリしていました。

 

なぜかというと
みゆきさんの行動が僕の想像を
はるかに超えていたからです。
今まで2万枚以上カードを配ってきた僕でも
さすがに子どもたちに怒り狂ってるお母さんに渡そうって
思ったことは・・・正直言って一度もないんです。
もちろんいい接客をしているサービスパーソンだけではなく
疲れて全然笑顔のないサービスパーソンにも
「頑張ってますね」という気持ちを込めて渡すことっていうのは
僕のアンテナにひっかかるのでやっていましたが、


さすがにお客さんに怒りくるってるサービスパーソンに出会う
っていう機会はなかったので

その人に渡すっていう概念がありませんでした。

 

でも、みゆきさんは・・・

「そこに想いがあるから」

アンテナが立って、行動できたのだと思います。

 
僕は彼女から、

人は大切な人のためなら
ものすごいことができるってことを

学ばせてもらいました。

 

どういうことかっていうと、

普段どっちかっていうと勇気とかが
あんまり出ないようなことを言ってる彼女が

自分が本当にお母さんに気づいてほしいとか
幸せになって欲しいとか育児を楽しんでほしいとか

あと、子どもたちがやっぱり
子どもの頃親に言われた言葉って一生残るから
その子達の未来のことを考えたら
想いが湧いてきて、行動せずにはいらなくて

僕も予想できなかった愛ある行動をしたんですっ。
周りからどんなに言われても
自分のことになるとグズグズなのにっ。

これはものすごいことですよねっ!

 

 

そして、つい最近また連絡がかかってきました。

『どうしたんですか?』

『今いいですか?

鴨さん、実はね、
私、ガン再発したかもしれない。』

『そうなんですか。』
彼女は精密検査を受ける前に
連絡してくれたのでした。
『でもね、鴨さん
私ね、なんか前にガンになったときより
全然今違うの。』
『どう違うんですか?』

 

『だってね、
世の中ガンになる人は確かに増えてるけど
2回もなる人ってそんなにいないと思うんですよ』
そんなことを
ちょっとウキウキした声で言っていました。
『そういう人がそんなにいないのに
もしなるんだったら絶対、そこに意味があると
思うんですよ。』

 

『どんな意味があるんですか?』

 

『きっと、命の大切さとか
今生きていられることが
本当は当たり前じゃないこととか
そんなことを人より多く感じられるってことだと
思うんですよ。

だから、もしも今回私がガンだとして
入院することになったら・・・

 
いっぱいカードを持っていきたいから
ハッピーマイレージのカードをください!!

 

医療の現場ですっごい大変な環境で
頑張っている看護婦さんにも渡したいし、

入院患者さんたちにも
いっぱいカードを渡そうと思うんです!
だから、
もちろんガンになりたくないけど

もしなっても・・・

私の命の使い道がある!!

って、そんな風に思えるようになったんです。』

 
僕は感動のあまり・・・

ちょっとの間、
話すことができませんでした。

 

やっと話せようになってから
こう伝えました。

 

『すばらしいですね。
もちろんガンになったら
少し早く死ぬ可能性は増えるかもしれないけど

でも、よく考えたら僕も死ぬ。

みゆきさんも死ぬ。
全ての人は死ぬって考えると

今のみゆきさんのような考え方とか生き方とか
そういうものってみんなが知ってると
もっと人生が豊かになるかもしれないですね。』

 

そう伝えたら、

『私もそんな風に思えるようになった自分が
誇らしいんです。』

 

そして、最後に

『でもね、鴨さんガンじゃないこと祈っててね♪』

と言って、みゆきさんは電話を切りました。

 

 

やっぱり
人生はどんな出来事が
起きたかで幸せか不幸かが
決まるんじゃ絶対にありません。

その起きた出来事をどう捉えて
何が起きようが
「自分の命の使い方はなんなんだろう?」
「自分のできることってなんなんだろう?」
って考えて
今、そして自分にフォーカスすると
命は輝くんだろうなって思いました。
僕はみゆきさんのある意味常識はずれな
「ガンかもしれないんです」
っていう報告の電話に勇気をもらいました。
そして、
僕自身ももっと命使い切ろう、
まだまだできるって思えました。

みゆきさん、本当にありがとうございます!

この話から何か気づくものがあれば
嬉しいです。

最後まで読んでいただき、
ありがとうございましたっ。

ABOUTこの記事をかいた人

講演家、YouTuber。日本マクドナルドでの勤務を経て、2010年独立。人材育成やマネジメント、リーダーシップについての講演・研修を熱い想いで行う「炎の講演家」として活躍。これらを記した著書も多数。YouTubeチャンネル登録者数100万人以上、再生回数2億回以上を数える。