マクドナルド教わった大切なこと1『肩書きではなく、仕事の価値は自分が決める』 〜その2〜

「人生で大切なことはみんなマクドナルドで教わった」の内容を少〜しだけ紹介しちゃいますっ!

『肩書きではなく、仕事の価値は自分が決める』
〜その2〜 

〜その1〜はコチラをクリック

 

「おはようございます!本日からお世話になります!鴨頭嘉人です。よろしくお願いします!」
厨房のバックドアから入った僕は、元野球部らしくビシッと挨拶を済ませて早速仕事に取りかかろうと思ったのですが、いったいどこに行って何をしたら良いのかも皆目見当がつかずにその場に突っ立っていました。

その店舗はエリアでも有数のハイセールス店舗で、その時間も午後の3時過ぎにも関わらず、厨房内には5、6人が「オーダーコール」と呼ばれる何事かの言葉を発しながら動き回っていました。
そんな中、目の前の細身のキリッとした表情の男性が目につきました。
その男性はフライヤーに入った揚げ物を数秒ごとにコントロールしながら、何かのブザー音に合わせて、パンにタルタルソースをショットガンのようなものでカシッと打ちつけながら、目にも留まらぬスピードでバーガーを完成させて「バーガーズアップ!」と叫んでは、流れるような動作でラップをする担当の場所に運んでいるのです。
心の中で「あんなの出来るようになるまでに、いったい何年かかるんだろう。あの人は社員なのかなぁ?」と思いながら、呆然と見ていたのです。

すると、そのピークが少し落ち着いたからか、先ほどの細身の男性が突如人懐っこい表情に変わり、「すみません。なかなかご挨拶できなくて。今日、鴨頭さんのトレーナーを勤めさせていただく川内です。宜しくお願いします」と丁寧に頭を下げられたのです。
僕も慌てて頭を下げたのですが、それまでに私が経験した新聞配達や水道管工事、スーパーの店頭販売などのアルバイトではこのように先輩から丁寧に挨拶をしてもらった経験がなかったので、とても驚きました。
さらに驚いたのはその後です。鴨頭嘉人マクドナルドアルバイト風景

川内と名乗るトレーナーに手洗い、厨房内の全体のレイアウト、原材料の保管場所と種類について簡単にオリエンテーションしてもらい、いよいよつくり始めましょう、というタイミングでのことでした。
彼は、僕の年齢を聞いてきたのです。
「大学1年生で19歳です」と答えると、「そうなんですか!じゃあ私の2つ上ですね!よろしくお願いします!」と言ったのです!
さっきまで「社員かアルバイトかどっちかわからないなぁ…」なんて思っていた、職人級の動きをしながら礼儀正しく人として立派な方が、高校2年生だなんて!
自分が2年前にこんなプロフェッシュナルな動きと人に対する真摯な態度がとれたでしょうか!?…
いやいや、19歳の今の自分だって到底できません。
心の奥底で驚愕しているのを、やはり子どもだった僕は、ひたすら見透かされないように細心の注意を払いながら「そうなんだ…。宜しくね」なんて、かっこ悪い受け答えをしたのを昨日のように覚えています。

今から思えば、マクドナルドが目指している人材育成モデルそのものの人物がこの「川内くん」なのですが、アルバイト初日だった僕にはどうにも違和感があり、理解できない…したくない気持ちが相当あったのも事実です。 しかし、この時点の僕は「こんな人になりたいから頑張ろう!」なんていう前向きな姿勢ではなく、やっぱりチャラチャラしたファストフードに馴染めていない自分を肯定する為に「俺はこいつらみたいな軟派な人間じゃない」とつっぱるのに必死でした。

そして、アルバイト初日のシフトが終わろうとしているときに、僕の人生を変えるキッカケとのなったある事件が起こるのです。

 

<〜その3〜へ続きます>
〜その3〜はコチラをクリック

 

ABOUTこの記事をかいた人

講演家、YouTuber。日本マクドナルドでの勤務を経て、2010年独立。人材育成やマネジメント、リーダーシップについての講演・研修を熱い想いで行う「炎の講演家」として活躍。これらを記した著書も多数。YouTubeチャンネル登録者数100万人以上、再生回数2億回以上を数える。